燃え盛るたいまつで、鬼が災厄を払う
陀々堂の鬼はしり
まつりの概要
全国的にも珍しい、鬼が幸福をもたらすまつり。悪霊を威嚇するための法螺貝や太鼓棒打の強烈な音響を背景に、父鬼・母鬼・子鬼の3匹が火のついた大きな松明を持って念仏寺の本堂・陀々堂をまわります。住民はその飛び散る火の粉を浴びると災厄が払われるとされています。
まつりにまつわる物語
約60キログラムにものぼる松明を、鬼は左手だけで持ち、堂内を練り歩きます。昭和35年まで実際に使用されていた鬼面は15世紀に制作された貴重なもので、面自体も県指定有形民俗文化財に。一番大きい父鬼のもので全長約60センチメートルあります。
あわせて楽しみたい
五條市は、全国の市町村のなかでもっとも多い柿の収穫量を誇る「日本一の柿のまち」。市内にある、柿の形をしたドーム型の外観が特徴的な「柿博物館」では、栽培の歴史展示や加工品の販売などが行なわれています。そのほか、鯖、鮭などの魚の切り身を一口大に握り、柿の葉で包んだ「柿の葉寿司」が郷土料理として知られます。
地元の方からひとこと
鬼役になって祭りに参加するなかで、松明の重さといいますか、歴史の重さを感じました。